理学療法

こどもの低緊張とはどういう状態なのか?具体的なトレーニング方法も紹介する。

低緊張とはどういう状態なの? 体幹でいうと筋緊張が低いと、インナーマッスルが脊椎の傾きに反応が遅れ、脊椎とのレバーアームが長く、大きなパワーを発揮できるアウターマッスルで制御してしまうことになります。 肩関節ではローテーターカフ、股関節では…

下肢の支持性の評価方法

下肢の支持性とは、抗重力下で大腿骨、脛骨、腓骨、足根骨、中足骨、趾節骨のいずれかを基底面とした、それより近位の下肢関節に必要とされる荷重を受け安定させる機能といえます。 抗重力下において下肢の支持性は座位、四つ這い、立位、歩行や下肢の支持性…

運動学習で一番重要なことはなにか?

運動学習を簡単に解説する。 細かいメカニズムや定義、強化学習や誤差修正学習、試行錯誤学習などの用語解説はしません。 運動学習について 運動を学習することは一言でいうと、「その運動を自分でイメージできるようになる」ことです。 ひとは新しい運動を…

簡単に筋緊張を緩める方法

「痙性で筋緊張が亢進し動かすのが難しい」「ストレッチしても硬くて動かすのが困難」「簡単に筋緊張を落とす方法はあるのか?」 筋緊張が高くて動かしにくい手足に対して、ストレッチをすることで、緩むことはできますが、それだけでは本当に緩んだとはいえ…

脳性麻痺児は将来歩けるようになるのか?

脳性麻痺と診断されてから、この子の将来を考える中で、まず歩けるようになるのか不安になってきます。 もし歩くことができなかったら、、、歩けるようになるにはどうしたらいいのか、、、。 結論からいうと今は歩けるようになるのかどうかは誰にもわからな…

座位姿勢のリハビリ効果 座るだけでも多くの機能を高めることができる

座位姿勢は日常生活では食事や整容などの基本的な生活動作や他者とのコミュニケーションや屋外での参加に必要な活動姿勢であり、休息姿勢でもあります。座位は様々な種類があり、正座、あぐら、長座、割り座、横座りなど多くの姿勢があります。支持基底面は…

脳性麻痺の筋力と運動能力、筋力トレーニングについて

脳性麻痺の筋力特性 脳性麻痺は上位中枢からの調整がうまく働かないので、高閾値のα運動ニューロンの発火頻度の低下、運動単位の減少など生じており筋力低下が引き起こされます。上位中枢からの指令によってα運動ニューロンが動員されるため、筋力使えよ!と…

小児リハビリにおける歩行器の特徴や効果など PCWやSRC ちょっとミニウォーク

小児リハビリで使う歩行器は様々あります。いろんな人が学校や家で使っていますけど、街中で使う人はほとんど見かけないですね。もっと実用的に使えるものがあればいいのになーと漠然と思っています。 ちなみに多く使われているのがPCWやSRCウォーカーとよば…

脳性麻痺児者の股関節脱臼の原因や予防法

「股関節脱臼ってどうして起こるのか」「予防する方法はあるのか」 脳性麻痺児者の二次障害の一つに股関節脱臼があります。脳性麻痺児者全体的にリスクはありますが、特にGMFCSⅣ~Ⅴで粗大運動が低くなるにつれて多くみられます。脱臼は側弯や痛みなど健康状…

誰でも寝ながらリハビリできる!寝返りの効果とは 

「寝返りはからだにどんな効果があるのか」「寝返りで運動になるのか」 寝返りは就寝中に何度も行っている動作です。臥位でいるときには姿勢を変えたいときに寝返りで腹臥位や側臥位へと姿勢変換をします。いくら臥位でもずっと同じ姿勢でいることはだれでも…

立ち上がり動作の効果 家でできる効果的なリハビリ

「家でできるリハビリの立ち上がり動作にはどんな身体的な効果があるのか?」 立ち上がりは1日の生活の中で幾度となく繰り返されているいたって普通の動作です。椅子から立ち上がりトイレに入り便座に座る。便座から立ち上がりトイレから出て再び椅子に座る…

歩くだけでもリハビリになる!歩行の効果とは

「歩行練習は歩行能力向上のため?」「歩行困難な方に歩行練習する意味は?」 ザ・リハビリといえるくらい治療頻度や目標に上がってくる歩行。実際、歩行練習は数多くリハビリの現場で取り組まれています。その大半は歩行能力の向上や歩行獲得に向けて行って…

脳性麻痺児の側弯の原因や評価、治療法について

「側弯の原因や影響は?」「側弯はどうやったら生じるのか?」 側弯とは 脊柱が捻れながら側方にカーブし変形して行く状態です。形からCカーブやSカーブがあります。椎間関節面の形状から凹側に捻れるため凸側の背部の肋骨は膨隆し凹側の肋間は狭く可動性が…

小児理学療法 ハンドリングが上手くなるには

「ハンドリングが上手くなりたい」「ハンドリングできないとリハビリできないのか?」 ハンドリングが上手くなりたいと思っていても、何のためのハンドリングなのか?そもそもハンドリングとはなにか?が理解していないとハンドリングをやる意味がないです。…

理学療法技術は教科書レベルで十分な話

「〇〇法に興味がある」「この手技さえあれば誰でも治せるんじゃないか?」 特に臨床に出たばかりの新人は特に治療という学校では教えてもらえない、そして理学療法にとって患者様の未来を左右する介入には悩みは多々あると思います。もちろんベテランだって…

脳性麻痺児者の腰痛や肩痛などの痛みを改善させる方法

「車いすにずっと座っていると腰や肩が痛い」「毎日腰を揉んでほしい」 ついつい腰痛や肩痛に対してマッサージを行いがちですが、長い間痛みや凝りと付き合っている方にとっては一時的に痛みにさよならできる瞬間であるため依存的になりがちです。 そもそも…

理学療法士養成校卒業後の進路はやりたい分野を選ぶ方が良い

「卒業後の進路はとりあえず総合病院で経験積んでから」「無難に病院がいいかな?」 学校卒業後の進路先って悩みますよね。中枢や整形、スポーツ、小児など興味のある様々な分野を考慮して選択していくと思います。 進路先の施設は病院が圧倒的に多いですが…

脳性麻痺児者のリハビリ効果を高めるには

「リハビリの効果をどうやったら引き出せるのか」「そもそもリハビリは必要?」 こどものリハビリテーションは各専門職からこどもの状態をみて目標をたてながら進めていきます。そのリハビリ効果を高めていく方法を考えていきます。 リハビリ回数と運動学習 …

脳性麻痺の装具の効果 履くタイミングや臨床での活用

「装具はいつ履いたらいいの?」「装具を履くことでどんないいことがあるのか?」 脳性麻痺の装具で多く使われているのは短下肢装具だと思います。短下肢装具とは膝下までの長さの装具をいい、足関節の動きの制限や支持性を補ってくれます。 小さい頃から使…

子どもの階段の練習方法

「階段がまだ1人で登れない降りられない。」「手つなぎで階段してももたれてきて不安定」 子どもは伝い歩きくらいで階段昇降は介助しながらできます。ただ不安定で危ないことが多いです。登るとしに後ろに倒れそうになったり一段飛ばしになったり、降りると…

子どもが階段を足から降りられる練習方法

「階段をハイハイで登るが降りるときは頭から行くので危ない」 ハイハイの時期に階段が好きでよじ登るお子さんは多いと思います。階段でなければ低いソファや椅子など登れそうなところがあれば登ろうとしますね。 しかし、登ったはいいが降りるときに頭から…

脳性麻痺アテトーゼ型の病態や治療方針を簡単に解説

「アテトーゼは難しいイメージ」「不随意運動をコントロールすることが難しい」 アテトーゼ型、最近ではジストニックタイプの脳性麻痺を指します。 アテトーゼに共通する機能的な問題点として不随意運動や同時収縮の欠如、筋緊張の変動、非対称姿勢や運動パ…

脳性麻痺 痙直型の病態や治療方針を簡単に解説

「痙直型の病態について教科書的には理解できるが結局なにが問題なのか?」 脳性麻痺において痙直型のタイプは臨床的に多いと思います。病態についても陽性兆候には上位運動ニューロン障害による同時収縮や痙性など。陰性兆候には筋力低下や易疲労性など言わ…

脳性麻痺の評価 GMFCSと臨床での使い方 予後予測や治療目標

「GMFCSって子どもの状態を伝えるための手段?」「分類するだけ?臨床的にどのように使っていけばいいの?」 脳性麻痺児の評価の1つにGMFCSという評価法があります。 GMFCS GMFCS: gross motor function classification system 粗大運動能力分類システム …

脳性麻痺児の簡単で効果的なストレッチ方法

「学校や家でできるストレッチが知りたい」「筋肉をどこまでストレッチしたらいいのかわからない」 脳性麻痺で痙直型と呼ばれるタイプは、筋緊張が高く常に収縮している状態が多いです。その状態が続くと筋肉は伸びにくく変化し、関節の動きが制限されます。…

小児理学療法の効果、目標について

「骨盤の動きが良くなった」「少し膝が伸びた」 しばらくすると、また元に戻る。まはリハビリでリセットする。これは関節の動きを維持することはできていますが、維持止まりでその先の運動の獲得につながっているとは思えません。特に就学期を迎えたお子さん…

赤ちゃんのつかまり立ち〜伝い歩きの促し方

「身体を支えても足をつけてくれない」「立てたけどそこから動けない」「自分からつかまり立ちができない」 立つことに不慣れなお子さんはいらっしゃいます。ある程度は時間の経過も必要ですが、次のステップに向けてどのような方法があるのか紹介します。 …

小児理学療法に関わる子どもたちの身体ケア

「学校でストレッチや運動をさせてあげたい」「どんなリハビリをしているのか知りたい」「家でもリハビリ頑張りたい」 身体の症状にとらわれないその子のための支援とは何かを考えてみます。 脳性麻痺などの子どもたちと関わっている職種はリハビリスタッフ…

いわゆる運動音痴な子どもたちへの運動指導

「うまくボールが投げれない」「うまく縄跳びが跳べない」 運動がなかなかうまくできない子どもたちは、運動嫌いになりやすいと思われます。運動量は減り体力も衰え余計に運動に対する意欲は失われます。 環境も関係していると思います。運動が苦手だから運…

成人脳性麻痺者の将来像と身体ケアについて

「この子が将来大人になったときに豊かな生活送れるだろうか」 子どもの将来像を想像することはとても難しいことだと思います。誰にもわかりません。しかし身体や運動面については成人された方の姿をみると、子どものときにすべきことは自ずと見えてきたりし…