2017-01-01から1年間の記事一覧
「内転筋の筋緊張が高くて脱臼しやすい」「腸腰筋に引っ張られて脱臼しやすい」 股関節脱臼は筋緊張が低くても高くても姿勢や運動機能の低下などで起きてしまう二次障害です。立つ経験が足りなくなるため股関節の臼蓋や大腿骨の未発達もその原因となります。…
ptemon.hatenablog.com 今回は二次障害の中に痙性の増強と骨密度の低下をご紹介します 痙性増強の主な原因 痙性筋の伸張性低下に伴うもの 成長期の骨の成長に伴い痙性筋の相対的な短縮が引き起こされます。また運動機能低下や活動量低下に伴い関節運動が少な…
脳性麻痺の筋力特性 脳性麻痺は上位中枢からの調整がうまく働かないので、高閾値のα運動ニューロンの発火頻度の低下、運動単位の減少など生じており筋力低下が引き起こされます。上位中枢からの指令によってα運動ニューロンが動員されるため、筋力使えよ!と…
ptemon.hatenablog.com 硬くなりますよね、関節が。私たちも腰や肩、膝など硬くなったりします。それは加齢の影響もあると思いますが、高齢の方でも柔らかい方がいらっしゃると思えば、やはり運動習慣にしか他ならないですね。関節可動域は誰でも変化し得る…
理学療法において目標設定は大切です。目標がなければ治療はできませんし、何をするのかも明確になりません。でも目標を考えるのは難しいことでもあります。対象者の身体状況や予後、専門職のニーズ、対象者やそのご家族のニーズ、生活環境、リハビリの目的…
小児リハビリで使う歩行器は様々あります。いろんな人が学校や家で使っていますけど、街中で使う人はほとんど見かけないですね。もっと実用的に使えるものがあればいいのになーと漠然と思っています。 ちなみに多く使われているのがPCWやSRCウォーカーとよば…
「脳性麻痺の二次障害ってなに?」「二次障害の予防法はあるのか?」 小児リハビリテーションをする上で押さえておきたいのが二次障害です。対象者の将来像を予測するために二次障害にはどんなものがあるのか知っておくことが必要です。そしてほとんどの脳性…
「股関節脱臼ってどうして起こるのか」「予防する方法はあるのか」 脳性麻痺児者の二次障害の一つに股関節脱臼があります。脳性麻痺児者全体的にリスクはありますが、特にGMFCSⅣ~Ⅴで粗大運動が低くなるにつれて多くみられます。脱臼は側弯や痛みなど健康状…
「寝返りはからだにどんな効果があるのか」「寝返りで運動になるのか」 寝返りは就寝中に何度も行っている動作です。臥位でいるときには姿勢を変えたいときに寝返りで腹臥位や側臥位へと姿勢変換をします。いくら臥位でもずっと同じ姿勢でいることはだれでも…
「PEDIは実際どんなADL評価なのか」「PEDIでわかることは?」 小児のADL評価の一つにPEDIがあります。 PEDI:Pediatric Evaluation of Disability Inventory 子どもの能力低下評価法 概要 6か月から7.5歳までの子どもの日常生活上の特定のことができる能力と…
関節可動域ってなに? 関節可動域とは関節が動く範囲のことをいいます。 たとえば肘の関節だと曲げたり伸ばしたりできる角度のことです。全身の各関節の動きの方向と角度の正常値は決まっています。関節可動域は関節の動き=動作に直結しますので重要な評価と…
「家でできるリハビリの立ち上がり動作にはどんな身体的な効果があるのか?」 立ち上がりは1日の生活の中で幾度となく繰り返されているいたって普通の動作です。椅子から立ち上がりトイレに入り便座に座る。便座から立ち上がりトイレから出て再び椅子に座る…
「歩行練習は歩行能力向上のため?」「歩行困難な方に歩行練習する意味は?」 ザ・リハビリといえるくらい治療頻度や目標に上がってくる歩行。実際、歩行練習は数多くリハビリの現場で取り組まれています。その大半は歩行能力の向上や歩行獲得に向けて行って…
「のどが渇いたので水分を摂りたい。」 視床下部でその本能的欲求が生まれ、大脳辺縁系で意欲となり前頭連合野において意志となった。ダイニングテーブルに目をやると、水と氷が入ったグラスを発見した。グラスの表面には水滴がたくさんついている。水滴が集…
「側弯の原因や影響は?」「側弯はどうやったら生じるのか?」 側弯とは 脊柱が捻れながら側方にカーブし変形して行く状態です。形からCカーブやSカーブがあります。椎間関節面の形状から凹側に捻れるため凸側の背部の肋骨は膨隆し凹側の肋間は狭く可動性が…
「プロンボードに立たせるとどんな効果があるのか」「立つ力以外にもどんな効果があるのか」 立位台もしくはプロンボードと呼ばれる福祉用具はは前もたれで立位姿勢をとることができるものです。呼び方の違いはありますが、同じものととらえて問題ありません…
「ハンドリングが上手くなりたい」「ハンドリングできないとリハビリできないのか?」 ハンドリングが上手くなりたいと思っていても、何のためのハンドリングなのか?そもそもハンドリングとはなにか?が理解していないとハンドリングをやる意味がないです。…
「GMFM66はどういうもの?」「予後予測もできると聞いたけどどうすればいいのか?」 脳性麻痺児の粗大運動の評価にGMFMがあります。 GMFM:Gross Motor Function Measure 粗大運動能力尺度 5つの領域にグループ分けされており88項目からなります。 A:臥位と…
「〇〇法に興味がある」「この手技さえあれば誰でも治せるんじゃないか?」 特に臨床に出たばかりの新人は特に治療という学校では教えてもらえない、そして理学療法にとって患者様の未来を左右する介入には悩みは多々あると思います。もちろんベテランだって…
「車いすにずっと座っていると腰や肩が痛い」「毎日腰を揉んでほしい」 ついつい腰痛や肩痛に対してマッサージを行いがちですが、長い間痛みや凝りと付き合っている方にとっては一時的に痛みにさよならできる瞬間であるため依存的になりがちです。 そもそも…
「卒業後の進路はとりあえず総合病院で経験積んでから」「無難に病院がいいかな?」 学校卒業後の進路先って悩みますよね。中枢や整形、スポーツ、小児など興味のある様々な分野を考慮して選択していくと思います。 進路先の施設は病院が圧倒的に多いですが…
「リハビリの効果をどうやったら引き出せるのか」「そもそもリハビリは必要?」 こどものリハビリテーションは各専門職からこどもの状態をみて目標をたてながら進めていきます。そのリハビリ効果を高めていく方法を考えていきます。 リハビリ回数と運動学習 …
「装具はいつ履いたらいいの?」「装具を履くことでどんないいことがあるのか?」 脳性麻痺の装具で多く使われているのは短下肢装具だと思います。短下肢装具とは膝下までの長さの装具をいい、足関節の動きの制限や支持性を補ってくれます。 小さい頃から使…
「小児リハで筋緊張の評価は大切と感じているが、どんな評価方法を用いているのか」 筋緊張の評価って主観的な部分がほとんどですよね。臨床であればなおさらです。他のImpairment を問題点と明確にしているならもしかしたら筋緊張はたいして問題とならない…
「階段がまだ1人で登れない降りられない。」「手つなぎで階段してももたれてきて不安定」 子どもは伝い歩きくらいで階段昇降は介助しながらできます。ただ不安定で危ないことが多いです。登るとしに後ろに倒れそうになったり一段飛ばしになったり、降りると…
「階段をハイハイで登るが降りるときは頭から行くので危ない」 ハイハイの時期に階段が好きでよじ登るお子さんは多いと思います。階段でなければ低いソファや椅子など登れそうなところがあれば登ろうとしますね。 しかし、登ったはいいが降りるときに頭から…
「アテトーゼは難しいイメージ」「不随意運動をコントロールすることが難しい」 アテトーゼ型、最近ではジストニックタイプの脳性麻痺を指します。 アテトーゼに共通する機能的な問題点として不随意運動や同時収縮の欠如、筋緊張の変動、非対称姿勢や運動パ…
「痙直型の病態について教科書的には理解できるが結局なにが問題なのか?」 脳性麻痺において痙直型のタイプは臨床的に多いと思います。病態についても陽性兆候には上位運動ニューロン障害による同時収縮や痙性など。陰性兆候には筋力低下や易疲労性など言わ…
「動作観察は成人と一緒で大丈夫なの?」「子ども特有の観察の方法はあるの?」 小児リハビリは特別だとか難しいとか言われていますが、理学療法プロセス自体は成人と変わりはないです。もちろん動作観察、分析の考え方も変わりません。今回は子どもの動作観…
「GMFCSって子どもの状態を伝えるための手段?」「分類するだけ?臨床的にどのように使っていけばいいの?」 脳性麻痺児の評価の1つにGMFCSという評価法があります。 GMFCS GMFCS: gross motor function classification system 粗大運動能力分類システム …