脳性麻痺 痙直型の病態や治療方針を簡単に解説

「痙直型の病態について教科書的には理解できるが結局なにが問題なのか?」

 

脳性麻痺において痙直型のタイプは臨床的に多いと思います。病態についても陽性兆候には上位運動ニューロン障害による同時収縮や痙性など。陰性兆候には筋力低下や易疲労性など言われています。それぞれが複雑に作用した臨床像を呈しています。

最近では痙性と運動機能に関連性はないことや筋力トレーニングによる痙性の悪化がないことが報告されており、病態についても解釈が変わってきつつあります。神経学的な影響についても全て解明されているわけでもなく仮説の域をまだ出てないと思います。

そういった状況のなか、臨床的に痙直型の特徴を簡単に解説したいと思います。

 

ポイントとなるのは過剰な同時収縮です。臨床像として四肢体幹に観られる筋緊張の亢進による過剰な同時収縮は対象者と関わる上で主要な問題点となり痙直型の特徴と言えます。

同時収縮とは、関節運動を安定して行うため主働作筋と拮抗筋の協調した収縮を指します。その同時収縮が過剰になることで分離的、選択的な関節運動が経験できなくなります。関節運動が乏しくなると姿勢、動作の学習に影響を与えます。

つまりactiveな関節運動の範囲が通常と比べて非常に狭くなっていることがポイントになります。そのため、常に動きながら筋の切り替えを学習し自由度を上げることで立ち直り系を促通することが必要となります。

 

治療方針:常に動き続ける→activeに

     痙性のコントロール

     分離運動の促通

     伸展方向への抗重力伸展活動

※非対称の軽減も忘れずに

 

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