嫌がる子どもに無理やりリハビリをした結果

なんのために、なにをされているかもわからず、やたらと身体を触られ動きを止められる。 逃げたいけど逃げられない。 必死に泣きわめき助けを求めるも、周りの大人は「頑張ってるね」「なんで泣いてるの」「嫌いだもんね」「〇〇ちゃんのためだから」と大人…

姿勢を良くする骨盤の動きとは

座位で骨盤後傾位は運動障害のあるお子さんによくみる姿勢です。 まあ私達も椅子に座ったら後傾してますけど。 原因は多裂筋など体幹筋の筋力が低い場合や、大腿直筋や腸腰筋、臀筋群やハムストリングスの筋力が低い場合があります。 原因は運動発達によって…

筋緊張ってなに?低いとどうなるの?

筋緊張が高い、低いなどよく現場で話されていると思います。 なぜか筋緊張の高い低いだけがこどもたちの全てを表すかのように聞こえるのは私だけだろうか。 これは分かっていることですが筋緊張の影響によって運動ができるできないは関係ありません。 そんな…

運動量を上げることの意味

朝起きて夜寝るまでに、私たちはどんな姿勢でどんな活動をしてきたか考えてみる。 仕事をしている人なら、朝起きて身支度をして出かけるだけでも、起き上がり、立ち上がり、立位保持、歩行、道具操作、会話などなどさまざまな身体活動が含まれます。 それら…

こどもたちの1番のリハビリとはなんだろうか

自分がこどもの頃、何に興味があって何に夢中になっていたのか。 今思うと、よくそんなことしてたなとか、今じゃ恥ずかしくて人前でできないなとか、とにかく無我夢中で何かに突き動かされていた経験はありませんか。 あるいは周りにいるこどもたちはどんな…

こどもの靴の選び方4

前回までは靴の硬さの話でした。 今回は靴の履かせ方について紹介したいと思います。ちなみに履き方は大人も同じです。 まず靴を履くときは①踵をトントンして踵部分に合わしてください。その後、②上のベルトをしっかりとめる。③下のベルトを添わしてとめる。…

膝の過伸展の原因は?

最初に言っときますが、こどもたちにとって膝の過伸展は問題としては優先度は低いです。 ただ見た目だけ気になってしまっていろいろ考えすぎるんだと思います。 過伸展になっている子はたくさんいます。過伸展だけでなく軽度屈曲で支持することもあります。 …

こどもの靴の選び方3

前回は靴底の硬さの話をしました。 硬い靴は大人でも歩きにくいですよね。 こどもに大人の価値観を当てはめたり大人の都合を押し付けたり、こどもにとっては迷惑他ならないですね。 さて今回は、靴の皮の話です。 靴底以外の側面や甲側を覆っている皮の硬さ…

こどもの靴の選び方2

前回はサイズの合う靴を選ぶ必要性を書きました。 今回は、靴を選ぶポイントについてご紹介します。 靴底は硬すぎないものが良い。 靴底が硬すぎると歩く時の踏み返しができずにパタパタした歩き方になり、足の筋肉の使い方が裸足と違ってきます。 スキー靴…

こどもの靴の選び方 その1

しっかり歩けるようになってきたし、そろそろ靴を新しく買い換えようかな。 どんな靴がいいかな?こどもの靴持って種類がいっぱいあってどれを選んでいいのかわからない。 せっかくならこの子に合った靴が欲しい。 という方向けに、靴の選び方についてお伝え…

脳性麻痺児の足がクロスになる理由

脳性麻痺は、生まれる前後に脳になんらかのダメージが加わったことによる全般的な発達の遅れがでる症状です。 脳には手足を動かす神経があり、そこがダメージを受けると自由に動かすことが難しくなります。 自由に動かせないと、手足を使うことを忘れてしま…

腹臥位の効果 うつ伏せで得られるもの

腹臥位の効果 換気血流比の改善 上気道のクリアランス改善 横隔膜の運動性改善 誤嚥の予防 排痰 背臥位で過ごす時間が多いと、下側肺の圧迫や横隔膜の高位化、誤嚥など呼吸器系への負担は増えますので、多様な姿勢を取ることが重要です。 特に自分で姿勢変換…

座位保持装置の目的、効果、デメリットについて

座位保持装置とはなにか? 一人で座ることが難しい子どもたちが安定して楽に座ることができる椅子です。 安定して座れるため、親も安心です。 オーダーメイドやレディメイドで子ども一人ひとりにあった椅子ですので、姿勢もバッチリです。 座位保持装置の目…

間違いだらけのストレッチ方法

ストレッチというと正しい姿勢で呼吸を止めずにじっくりと、、というイメージをお持ちの方が多いと思います。 そういったイメージにとらわれることで、ストレッチは我慢するもの。しんどいもの。というネガティブなイメージになっているのではないでしょうか…

こどもの低緊張とはどういう状態なのか?具体的なトレーニング方法も紹介する。

低緊張とはどういう状態なの? 体幹でいうと筋緊張が低いと、インナーマッスルが脊椎の傾きに反応が遅れ、脊椎とのレバーアームが長く、大きなパワーを発揮できるアウターマッスルで制御してしまうことになります。 肩関節ではローテーターカフ、股関節では…

四つ這いは絶対にしないといけないのか?

四つ這いはぜったいにしないといけないのか? 運動発達には個別性があり、四つ這いせずに独歩を獲得するこどもがいます。それも少人数ではありません。 それならば、リハビリテーションにおいて四つ這いを経由して独歩を目指すことは必ずしも必要な運動では…

下肢の支持性の評価方法

下肢の支持性とは、抗重力下で大腿骨、脛骨、腓骨、足根骨、中足骨、趾節骨のいずれかを基底面とした、それより近位の下肢関節に必要とされる荷重を受け安定させる機能といえます。 抗重力下において下肢の支持性は座位、四つ這い、立位、歩行や下肢の支持性…

運動学習で一番重要なことはなにか?

運動学習を簡単に解説する。 細かいメカニズムや定義、強化学習や誤差修正学習、試行錯誤学習などの用語解説はしません。 運動学習について 運動を学習することは一言でいうと、「その運動を自分でイメージできるようになる」ことです。 ひとは新しい運動を…

簡単に筋緊張を緩める方法

「痙性で筋緊張が亢進し動かすのが難しい」「ストレッチしても硬くて動かすのが困難」「簡単に筋緊張を落とす方法はあるのか?」 筋緊張が高くて動かしにくい手足に対して、ストレッチをすることで、緩むことはできますが、それだけでは本当に緩んだとはいえ…

脳性麻痺のバランス評価② 膝立ち、立位、歩行

膝立ち 立位の前に膝立ちも評価ができます。膝立ち時間は何秒か、股関節の角度はどのくらいか。上肢帯の位置はどうなっているのか。 膝立ちで歩けるのか、歩けるなら何歩いけるのか、手引きは必要なのか。 片膝立ちは高度なバランスが要求される姿勢ですが、…

脳性麻痺のバランス評価① 臥位、座位

「まだ座位で動揺がみられる」「立位が不安定」 「歩行時の姿勢制御能力が低い」 臨床上、よく耳にする子どもの臨床像ですが、上記は表現の違いはあるけれども結局バランス能力が低いということですね。 では、仮にバランス能力の向上を目標にあげるとして、…

脳性麻痺児の姿勢改善には外的参照が有利

「上向かない!顎を引いて」「さあ膝を伸ばしてピシっと!」「お腹を使って身体を起こして!」 「そうそう!いいよ!それそれ!」 など、誰が得するのかわからないような言葉掛けで姿勢を正そうとしている場面をしばしば目にします。非常に残念です。 子ども…

小児用のゲイトソリューションが欲しい

大人の片麻痺の方によく処方されているゲイトソリューションシリーズ。 実際に私も履いて歩いてみたことがあります。短下肢装具の下腿が押し出される感覚がなくとても歩きやすかったです。 機構としては油圧式足継手により背屈フリー、底屈制動の仕様になっ…

赤ちゃんの運動発達を促す方法 首の座り〜独歩、他

今になって思うけどこの子はどうして運動発達がゆっくりなのか。 どうしたら発達するのか。このままで大丈夫なのか。 と不安になるときがあります。 運動発達がゆっくりなお子さんに対してどのような発達の促し方や練習方法があるのか紹介していきたいと思い…

脳性麻痺児者の二次障害予防 身体の痛みの原因と対処法

「首が痛いから押して!」 「とりあえず腰が痛いから揉んでほしい」 よしわかりました!ここですか!ここですね!グリグリグリ〜 「気持ちいい〜ありがとう!スッキリしたよ」 いつでもどうぞ! 数日後、 「腰が痛いからまた揉んでほしい」 こんなことは日常…

脳性麻痺児は将来歩けるようになるのか?

脳性麻痺と診断されてから、この子の将来を考える中で、まず歩けるようになるのか不安になってきます。 もし歩くことができなかったら、、、歩けるようになるにはどうしたらいいのか、、、。 結論からいうと今は歩けるようになるのかどうかは誰にもわからな…

座位姿勢のリハビリ効果 座るだけでも多くの機能を高めることができる

座位姿勢は日常生活では食事や整容などの基本的な生活動作や他者とのコミュニケーションや屋外での参加に必要な活動姿勢であり、休息姿勢でもあります。座位は様々な種類があり、正座、あぐら、長座、割り座、横座りなど多くの姿勢があります。支持基底面は…

筋緊張の評価 Modified Ashworth Scale(MAS)、Modified Tardeu Scale(MTS) 臨床への活かし方など

筋緊張の評価方法で臨床的によく用いられるものにMASやMTSがあります。 MASは痙性の評価と非収縮要素も含めた評価にもなっています。MTSは速度依存性での評価となりより痙性の評価としてはMASより妥当性は高くなっています。 Modified Ashworth Scale(MAS) …

デュシャンヌ型筋ジストロフィーの評価やリハビリの注意点、目的など

デュシャンヌ型筋ジストロフィー(以下、DMD)は筋ジストロフィーの中で一番患者数が多い型で、伴性劣性遺伝で男子の発症となります。筋肉構造の維持に必要なジストロフィンの機能不全によりカルシウムイオンが筋細胞内に流出し筋線維が融解していくといわれて…

股関節の関節合力と外転筋群の効率について

股関節外転筋群は歩行単脚立脚期や片脚立位時の股関節の安定には欠かせません。そのため疾患問わず多く方に重要な筋群となっており、様々な筋力トレーニングが行われています。 股関節は骨盤の臼蓋と大腿骨頭で形成されています。主な外転筋である中殿筋は腸…