理学療法評価

四つ這いは絶対にしないといけないのか?

四つ這いはぜったいにしないといけないのか? 運動発達には個別性があり、四つ這いせずに独歩を獲得するこどもがいます。それも少人数ではありません。 それならば、リハビリテーションにおいて四つ這いを経由して独歩を目指すことは必ずしも必要な運動では…

下肢の支持性の評価方法

下肢の支持性とは、抗重力下で大腿骨、脛骨、腓骨、足根骨、中足骨、趾節骨のいずれかを基底面とした、それより近位の下肢関節に必要とされる荷重を受け安定させる機能といえます。 抗重力下において下肢の支持性は座位、四つ這い、立位、歩行や下肢の支持性…

脳性麻痺のバランス評価② 膝立ち、立位、歩行

膝立ち 立位の前に膝立ちも評価ができます。膝立ち時間は何秒か、股関節の角度はどのくらいか。上肢帯の位置はどうなっているのか。 膝立ちで歩けるのか、歩けるなら何歩いけるのか、手引きは必要なのか。 片膝立ちは高度なバランスが要求される姿勢ですが、…

脳性麻痺のバランス評価① 臥位、座位

「まだ座位で動揺がみられる」「立位が不安定」 「歩行時の姿勢制御能力が低い」 臨床上、よく耳にする子どもの臨床像ですが、上記は表現の違いはあるけれども結局バランス能力が低いということですね。 では、仮にバランス能力の向上を目標にあげるとして、…

筋緊張の評価 Modified Ashworth Scale(MAS)、Modified Tardeu Scale(MTS) 臨床への活かし方など

筋緊張の評価方法で臨床的によく用いられるものにMASやMTSがあります。 MASは痙性の評価と非収縮要素も含めた評価にもなっています。MTSは速度依存性での評価となりより痙性の評価としてはMASより妥当性は高くなっています。 Modified Ashworth Scale(MAS) …

デュシャンヌ型筋ジストロフィーの評価やリハビリの注意点、目的など

デュシャンヌ型筋ジストロフィー(以下、DMD)は筋ジストロフィーの中で一番患者数が多い型で、伴性劣性遺伝で男子の発症となります。筋肉構造の維持に必要なジストロフィンの機能不全によりカルシウムイオンが筋細胞内に流出し筋線維が融解していくといわれて…

理学療法の目標設定は具体的に SMARTの法則を用いた治療目標の立て方

SMARTの法則に基づいた目標設定の仕方は、より具体的で明確な理学療法の目標を立てることができる。具体的な目標を上げるため目標に向けた課題とその問題点や治療戦略、効果判定まではっきりとさせることができる。 そもそもSMARTの法則とは何か アメリカの…

脳性麻痺の筋力と運動能力、筋力トレーニングについて

脳性麻痺の筋力特性 脳性麻痺は上位中枢からの調整がうまく働かないので、高閾値のα運動ニューロンの発火頻度の低下、運動単位の減少など生じており筋力低下が引き起こされます。上位中枢からの指令によってα運動ニューロンが動員されるため、筋力使えよ!と…

小児理学療法における目標の考え方

理学療法において目標設定は大切です。目標がなければ治療はできませんし、何をするのかも明確になりません。でも目標を考えるのは難しいことでもあります。対象者の身体状況や予後、専門職のニーズ、対象者やそのご家族のニーズ、生活環境、リハビリの目的…

子どものADL評価 PEDIの評価方法や臨床での活かし方など

「PEDIは実際どんなADL評価なのか」「PEDIでわかることは?」 小児のADL評価の一つにPEDIがあります。 PEDI:Pediatric Evaluation of Disability Inventory 子どもの能力低下評価法 概要 6か月から7.5歳までの子どもの日常生活上の特定のことができる能力と…

脳性麻痺の評価 GMFM88とGMFM66の違いは?粗大運動能力の評価と予後予測、GMAEについて

「GMFM66はどういうもの?」「予後予測もできると聞いたけどどうすればいいのか?」 脳性麻痺児の粗大運動の評価にGMFMがあります。 GMFM:Gross Motor Function Measure 粗大運動能力尺度 5つの領域にグループ分けされており88項目からなります。 A:臥位と…

脳性麻痺児者における筋緊張の評価 動作観察からMASなど

「小児リハで筋緊張の評価は大切と感じているが、どんな評価方法を用いているのか」 筋緊張の評価って主観的な部分がほとんどですよね。臨床であればなおさらです。他のImpairment を問題点と明確にしているならもしかしたら筋緊張はたいして問題とならない…

小児理学療法における動作観察、分析のコツ

「動作観察は成人と一緒で大丈夫なの?」「子ども特有の観察の方法はあるの?」 小児リハビリは特別だとか難しいとか言われていますが、理学療法プロセス自体は成人と変わりはないです。もちろん動作観察、分析の考え方も変わりません。今回は子どもの動作観…

脳性麻痺の評価 GMFCSと臨床での使い方 予後予測や治療目標

「GMFCSって子どもの状態を伝えるための手段?」「分類するだけ?臨床的にどのように使っていけばいいの?」 脳性麻痺児の評価の1つにGMFCSという評価法があります。 GMFCS GMFCS: gross motor function classification system 粗大運動能力分類システム …