理学療法の目標設定は具体的に SMARTの法則を用いた治療目標の立て方

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SMARTの法則に基づいた目標設定の仕方は、より具体的で明確な理学療法の目標を立てることができる。具体的な目標を上げるため目標に向けた課題とその問題点や治療戦略、効果判定まではっきりとさせることができる。

そもそもSMARTの法則とは何か

アメリカの経営コンサルタントが目標設定のためのとフレームワークとして提唱したらしい。ビジネス場面では目標を立てるための手段としてポピュラーな法則となっている。理学療法の治療目標もこの法則を使うことで、あいまいな目標ではなく具体的な目標を立てやすくなる。SMARTの法則とはアルファベットの頭文字を取った名前だ。

SMARTの法則

Specific:特異的/具体的

具体的な目標でなければならない。歩行なら歩行距離や歩行速度など基本的動作能力やADLを上げることが妥当だろう。

Measurable:測定可能/評価可能

客観的な評価指標があるもの、数字で表されるもの、もしくは達成することなど再評価ができなければならない。

Attainable:到達可能/納得できる

予後を見据えて到達できると予測できる目標を上げる必要がある。現状に対しての目標がかけ離れてなく納得できるもの。到達できるかわからないような目標は避ける。例えばアテトーゼを軽減させるという目標は実際に軽減できるかはわからない。

Relevant:関連性のある/患者にとって意味あるものか

 歩行なら歩行機能に関係しているもの、ADLに必要な基本動作も関連している。対象が小児であれば子どもにとって本当に意味のある目標なのか。

Time bound:期限のある/患者にとって時期適切な目標か

期限を決めることで、いつまでその目標を上げるのかがはっきりする。ある目標を設定するのに時期や期間は適切なものになっているか。

目標の例

2週間後までにトイレでのつかまり立ちの時間を10秒から30秒に改善させる。

これは期間がはっきりしていて生活に直結し実用的で具体的な能力の改善となっている。30秒という測定可能でかつ到達可能な目標にもなりえる。

 他には、

2週間後までに床座位で片手で10秒玩具で遊ぶことができる。

4週後までにクラッチ歩行距離を5mから10mに改善させる。

2カ月後までに腹臥位から起き上がることができるといった動作の獲得も目標として妥当と考える。

 

目標が決まればあとはどうしたらこの目標を達成することができるのかを分析し治療に取り組む。あいまいな目標だととりあえずの治療になってしまいがちになります。参考までに少しでもSMARTの法則を意識して取り組むことができればと思います。