脳性麻痺児者における筋緊張の評価 動作観察からMASなど

f:id:ptemon:20170918145256j:plain

「小児リハで筋緊張の評価は大切と感じているが、どんな評価方法を用いているのか」

 

筋緊張の評価って主観的な部分がほとんどですよね。臨床であればなおさらです。他のImpairment を問題点と明確にしているならもしかしたら筋緊張はたいして問題とならないかもしれません。

しかし、筋緊張は目に見えて影響を及ぼしてきます。痙性による筋緊張亢進は関節拘縮の原因となり、変形や脱臼を引き起こします。そして運動機能の悪化と相互に影響していきます。

 

ptemon.hatenablog.com

 

また原因と考える筋がどの程度の筋緊張を持っているのか、その筋肉で本当に合っているのか評価することも病態や予後を考える上で必要なことだと思います。そして治療方針や治療効果の比較において避けては通れない部分であります。

臨床ではどのような評価を使って行っているのかを紹介したいと思います。

 

筋緊張のタイプを評価

痙直型、アテトーゼ型、失調型、混合型など脳性麻痺のタイプから低緊張なのか過緊張なのか、筋緊張の変動も含めた様々な筋緊張のタイプ、特徴を把握します。そして上下肢体幹のどの程度の筋緊張が分布しているのかを評価します。個別性があるのでタイプから一概にここは筋緊張は高いといった推測はできません。確かめる必要があります。

 

動作から筋緊張の変化を評価

姿勢筋緊張や動作時筋緊張を分けられているように姿勢や動作によって筋緊張の変化はみられます。そのため動作観察からどのように筋緊張が関わっているのかを分析し評価します。

 

ptemon.hatenablog.com

 

関節可動域を評価

関節可動域制限がないか確認します。どの程度の関節可動域があるのか、その範囲で筋緊張の影響はどこまであるのか。以下の個々の筋緊張の評価をする上で大切となります。また動作時の筋緊張の変化と関連しているのかを評価し今後の関節可動域の推移を考える上で参考とします。

 

個々の筋緊張を評価

左右差であったり筋緊張の程度であったり詳細に評価していきます。動作で得られた筋緊張のパターンを個々の筋で評価し本当に該当する筋かどうか確かめる必要があります。主に使われるのが被動抵抗での判断やMAS(Modified Ashworth Scale)、触診、腱反射になると思われます。個人的にはMASは簡便な方法かつ数値で左右差を評価でき効果判定としてもわかりやすいため使用頻度は高いです。姿勢や動作によってどう変わるかも評価しやすいので。体幹部分は被動抵抗や姿勢観察、動作時の触察などで判断していくことが多いと思います。

最後になりますがどの評価も一番大事なのは個々の筋を確かめるための触察技術だと思います。