運動学習で一番重要なことはなにか?
運動学習を簡単に解説する。
細かいメカニズムや定義、強化学習や誤差修正学習、試行錯誤学習などの用語解説はしません。
運動学習について
運動を学習することは一言でいうと、「その運動を自分でイメージできるようになる」ことです。
ひとは新しい運動を獲得するにあたって、まず、どんな動きをするのかイメージします。そしてやってみます。やった後、動きを微調整し、自分の中で運動のイメージは作られていきます。
このような流れで、学習していきます。
ここで重要なのは本人がやろうとする意思があるのかです。
意思がないと、何をするのか教えるにしても動きのイメージが意識に入ってこないです。
したがってその人の意欲を引き出し、どのような運動をするのかを教示することが一番重要な最初のステップです。
やろうとする意思があり、動きがみられたらこっちのもんです。動きがみられてやろうとしたら、めちゃくちゃ褒めてあげます。
あとは、失敗体験を少なくしながら、スモールステップで徐々に課題をゴールに進めます。
ここで教えるときには、ハンドリングは必要ありません。
自分で自分の身体の変化にきづいて自分で修正しようとすることが一番大事です。
リスク管理や失敗につながらないようすぐに危険を回避できるくらいの見守りは必要です。
なのでハンドリングで誘導したところで、自分の意図と他人の意図がごっちゃになり、学習しようとすることに水を差すことになります。
なんとか運動ができた頃から、自分で修正して効率的になってきました。
次は、考えなくてもできるようにします。
毎回同じ環境で行ってきた運動が、いざ違う場所でしようにも、いつものところと違うからできないですよね。
そうならないためにも、日常的に繰り返し行う必要があります。
何百、何千、何万と回数をこなし、身体が勝手に動くまで行うことを意識して日常的に運動する環境をつくります。
日常的にというのは、その運動が必要な場所で行うということです。
実際場面で行うことが一番定着しやすいですね。
ここまでくると、運動がイメージできるようになってきます。
イメージできるようになると、自然に身体が動き出します。
例
料理をするにも1つ1つの工程をイメージしながら行っていると思います。
自転車に乗るのも、周囲の光景に注意しながらハンドルとペダルを操作する感じをイメージできると思います。
自動車も同じです。車両感覚も同時にイメージできますね。
バック転するのも後ろのどの方向でどれくらいの出力でジャンプするかの感覚がイメージできると思います。
階段の昇り降りも、足の上げ方、足の曲げ方、どのくらいの支えが必要かイメージできます。
蹴上げの高さや踏面の幅が違う場合でさえ、その階段をみたら昇り降りするイメージができます。
まとめ
その運動をやろうとする意図があり、自らの力で学ぼうとする中で、効率的になり、日常的にその運動を汎化させ、自動的に運動が遂行できるようになる。