小児理学療法 ハンドリングが上手くなるには

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「ハンドリングが上手くなりたい」「ハンドリングできないとリハビリできないのか?」

ハンドリングが上手くなりたいと思っていても、何のためのハンドリングなのか?そもそもハンドリングとはなにか?が理解していないとハンドリングをやる意味がないです。てか、多分新人からみなさんハンドリングしていると思います。

ハンドリングの意味

ハンドリングと言う言葉はけっこう一人歩きしている状態だと思います。先輩のハンドリングをみて特殊なイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

でも簡単にいうとハンドリングの意味は介助して子どもたちが自発的に課題をこなすことができるようにお手伝いすることだと思います。ある運動をその子が「できた」という感覚を与えることが大切になります。

促通とか抑制とかいうこともありますが、どの方向にどういう具合で刺激を加えることで本当に促通や抑制が起こるのかを確実に伝えることはできないので、それを知ったところで意味ないでしょう。

それならば介助することの方が意味合いが強く多くの方もわかりやすく取り組めるのではないでしょうか。つまりここでいうハンドリングは特殊な技術でもなんでもなく、介助する技術だと思えばいいと思います。

ハンドリングのポイント

子どもの動きを介助している。つまり動いてほしい方向がわかればいいのです。

理学療法士なら基本的動作能力を遂行するための動きはわかると思います。その動きに合わせて動きの足りないところを補うこともポイントです。

動きを介助しているときのポイントはざっと

  1. 重心と基底面の位置関係
  2. 動きと圧中心の位置関係
  3. 介助する身体部位と介助量

こんなもんですかね。

重心と基底面の位置関係

これは単純に基底面上に身体質量中心がないと姿勢コントロールはできないので学習もなにも成立しません。

座位で足部に荷重させたいときは、足部で基底面を作れているかがポイントになりますね。

動きと圧中心の位置関係

たとえば立位で前に身体が倒れそうなとき足指に力が入りますね。そうすることで重心が前方に移動したのを基底面から外れないようにしています。足指の支持で足圧中心が前方に移動して重心の真下に来るよう調整することでバランスは保たれます。

立位で介助しているときに前に倒れそうな場合は後ろに身体を引きたくなりますが、それでは介助に頼りすぎて重心と圧中心の関係がなくなり自分で立ち直る経験はできません。

介助する身体部位と介助量

介助量の問題から言うと介助しすぎは逆に学習が進みません。基本的に荷重させたい部位への荷重の介助と荷重させた上での身体運動の介助を行います。体重を免荷しすぎていると自分で支持することをせずもたれたままになります。その子が荷重しながら安定してできるギリギリの範囲で介助することがいいと思います。わざと介助量を減らし筋力を発揮させたりすることもあります。

介助する部位や量はまずはどこまでの運動レベルなのかを評価する必要があります。介助部位は腋下なのか下部体幹なのか骨盤なのか肩なのかどこを介助するにしても、どこを補うか、どこから重心移動を操作するか、どういう関節運動が欲しいのかを考えておこないます。

基底面より上の身体部位が運動学習する部位なので介助量との兼ね合いで目的に応じて子どもが自発的に動ける範囲で介助してあげるといいと思います。

ハンドリングが上手くなるためには

最初にもいいましたが、実は誰でも行っていることがハンドリングでいいと思います。専門職以外の方でもハンドリングしています。ただ運動をよく知っている方のハンドリングはより重心の移動する方向がわかると思います。

やみくもに姿勢をよくしていてもよくよくみると介助しすぎなこともあると思います。本当のことは子どものに聞いてみないと分からないですけど。ハンドリングが上手くなりたいのであればまず自分がどういう風に動いているのかを感じるところから始めてはいかがでしょうか。

 

以上