四つ這い(ハイハイ)に向けた練習方法
「ずり這いを活発にしているが、四つ這いはまだ」「早くハイハイしてほしい」
ずり這い移動を獲得され、スムーズに移動を行なっているお子さんに対し、四つ這いに向けた運動手段を紹介します。
四つ這いとずり這いの違い
まずは四つ這いとずり這いの違いを見ていきます
四つ這いは、手と膝で支えて姿勢を保っています。
赤=支えている部
ずり這いは肘とお腹、骨盤、太ももで支えていますね。
その姿勢から四つ這いになるには、腕を伸ばし脚を曲げてお腹と骨盤を持ち上げ、手と膝で支える力が必要になります。
さらに四つ這いはずり這いに比べて手と膝で支えるので、支える面積は狭くなり、よりバランスが必要だと考えられます。
四つ這いに向けた運動方針は四つ這いにおける身体の使い方をどのように促してあげるかを考えます。
ずり這いし始めて間もない頃
たくさんずり這いをさせてあげます。前進だけでなく方向転換も誘導して様々な方向へ移動する経験を積むといいと思います。そうすることで筋力やバランスも着きスピードも上がり、足も曲がるようになってくるはずです。そして少しづつ段差を越えさせることも始めていきます。
正座で前に手をついて支える経験
まだうつ伏せで足が開いた状態であれば脚の付け根の股関節で支えることが弱いと思われます。またうつ伏せから起き上がることができるようになるには正座で手をついて座る経験が必要になってきます。
四つ這いにはこの股関節の支えが大切なので、起き上がりができるようになることを見越して正座で手で支える経験をさせてあげます。
股関節での支えが弱いと正座をさせたときに足が外に開こうとするので、大人の正座のように足が開かないようにすることがポイントです。
最初はフラフラしていると思いますが、膝と脛で支えているので、バランスを取る難易度はあがります。
その姿勢で片手を上げてオモチャを触ったりすることでよりバランス能力が鍛えられます。
ずり這いで障害物をよじ登る経験
平面だけでなく障害物を乗り越えることで、四つ這いに向けた姿勢へと近づくことができます。
例えば、大人の膝を乗り越えるときに、まず上体を起こし手をかける必要があると思います。その後、腕で引き込みながら身体を持ち上げ、同時に脚も引き込み骨盤も持ち上がると思います。
このよじ登る動きがお腹と骨盤を持ち上げ、膝で支えたり足で蹴る経験に繋がります。
ほかには
- 布団やクッション、段差を越える
- 横になった大人の上を登る
- 坂道、階段を登る
など様々な場面でよじ登る経験をすることができます。
つかまり立ちの経験
膝を曲げて骨盤を浮かせた四つ這い姿勢を大人が作ってあげることは難しいと思います。もし、お子さんに足で支える力があれば、台に手をついて立たせた状態で支え立ちをさせてあげることも同じ四点支持なので四つ這いの経験に繋がります。
まだ足で支え続ける力は弱く不安定で危ないので、介助者はしっかり身体を支えながら少しづつ経験させてあげる必要があります。
お子さんによって上手くその動きができないことがあると思いますが、最初からは思い通りの動きはできません。
辛く苦しい練習より、動くことに楽しさ嬉しさを覚え、お子さんの成功体験が積める経験が一番発達に重要な要素になりますので、いつもそのことを気に留めていただければと思います。