ハイハイしない赤ちゃん いざり移動をするお子さんの運動発達
「ハイハイせず座って移動するようになった」
いわゆる「いざり」を獲得するお子さんは、どんな発達の特徴があるのか?どのような発達の経過をたどっていくのか?
子どもの運動発達のバリエーションは豊富です。ハイハイの仕方もお子さんによって違いがあったりします。つかまり立ちや独歩ができる時期も皆違います。
運動発達の基本的な順序や方法というのはお子さんによって様々といえます。
いざりを獲得するお子さんの発達経過を見てみると、うつ伏せが苦手でできない子が多いようです。
うつ伏せが苦手であるため、寝返りの経験やハイハイができない。うつ伏せにさせるとすぐに起き上がったり、何もできず起き上がれないお子さんもいたりします。
座らせると、ふつうに一人で座って遊べます。座った姿勢はうつ伏せができない子にとって、唯一まわりを見渡すことができ、かつ一番活動的な姿勢になります。その中で移動を獲得していきます。
無理にうつ伏せをさせると、ずっと泣き続けてしまい、運動経験を逃してしまいます。
では、いざりを獲得した後に四つ這いはできるようになるのか?
答えは、できるようになります。
いざりからつかまり立ちや伝い歩き、独歩獲得後など、先の運動発達を獲得したあとにできるようになります。
また、四つ這いで手をつく経験は大事だと言われていますが、四つ這いではなくても経験はできます。
たとえば、つかまり立ち、伝い歩きも手をつく活動なので同じ経験はできます。
つまりいざりを獲得したお子さんは、その先のつかまり立ちなどの発達のステップを見据えて経過をみていけば大丈夫です。
次に、いざりから四つ這いに向けた練習を紹介します。
障害物を乗り越える、坂を登る、トンネルをくぐる
たとえば、障害物を乗り越える際に手をついて一時的に四つ這いを取らざるを得ない姿勢に持っていきます。
そうすることで四つ這いでの運動経験をさせてあげることができます。
坂やトンネルも一緒です。
つかまり立ちをさせてあげる
足で支える力があれば行います。手をついて立つことで四つ這いと同じ経験をさせることができます。
いつのまにかうつ伏せで遊ぶ
たとえば、お父さんやお母さんがこどもを縦抱きしている姿勢で背中を下に床に寝ます。するといつのまにか子どもはうつ伏せ姿勢になります。
大好きなお母さんやお父さんと向き合うことで、自然とうつ伏せ姿勢を受け入れ、うつ伏せの経験ができます。
四つ這いの真似をして遊ぶ
意外と楽しく遊んでいるときには、一緒に四つ這い姿勢の真似をしてくれたりします。そこから、いち、に、いち、に、と一緒に四つ這い移動を促していくことで快く行ってくれることもあります。
最後に、いざりをするお子さんの独歩獲得時期についてですが、概ね1歳半から2歳くらいが多いような気がします。
もちろんそれより早い子もいますが、少しゆっくりペースな印象です。
私の周りの大人でも、小さい頃に四つ這いしなかった人はいますし、そのせいで今何か不自由なことがあったかというと全くそうではないです。
子どもの発達って不思議ですね