赤ちゃんの一人歩きの促し方

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「伝い歩きは前からしているけどなかなか一人で歩こうとしない」

子どもがいつ歩き出すのかは誰にも予測はできないですね。

 

でも一人歩きをするためにどういう能力がいるのかは予測できます。

何も持たず一人で立っておける力

一人歩き、つまり二足歩行は、まず二足で立つ必要があります。

立ちながら左右に体重移動する力

歩くときに片足に体重を乗せる力が必要です。

立ちながら足を運ぶ力

歩くときに前に足を出して踏ん張る力が必要です。

さらに、歩くための体の動かし方を学ぶことで歩くことを促すことができます。

 

では、これらの力を養うにはどうすれば良いか。 

ポイントとしては、いまよりもちょっと難しい運動をさせてみることです。

以下のケースで伝い歩きから一人歩きに向けた練習を紹介します。

伝い歩きまでの発達は以下を参照してください。

 

ptemon.hatenablog.com

 

伝い歩き始めの時期

伝い歩きができたばかりの時期は、たくさん動かしてあげることで、伝い歩きに必要なバランスや筋肉を強化してあげます。 

 

角曲がり

スムーズに伝い歩きができるようになれば、机の一辺だけでなく、角を曲がるように促してみます。一辺だけの伝い歩きでは横の動きのみの活動ですが、角を曲がることで前後方向への体の使い方を学習することができます。

 

渡り歩き

角曲がりがスムーズにできるようになれば、机から別の机などへ移る経験をさせてあげます。別の机へ渡って歩くため渡り歩きと言ったりします。渡り歩きを行う際、ギリギリ手を伸ばして届く範囲のものに渡らせます。片手を離して一度に移動できる距離が増えるので、より前後左右のバランスを学習することができます。

渡る方向ですが、最初は横方向から様子を見ますが、一番行って欲しい動きは後ろ方向に渡ってもらうことです。

後ろに振り返りながら身体を回し足を運ぶことで、今まで前で支えていたところを身体の横で支えることになるので、より高度なバランスを必要とします。

バランスの発達は最初は前方向へのバランス、次に横方向のバランス、最後に後方向のバランスの順に発達していきます。このように手で支える位置を前から横に変えることでより高度なバランスの発達を狙うことができます。

 

壁伝い歩き

渡り歩きの他に壁伝い歩きも同時に促していくと良いです。壁伝い歩きは、体重のほとんどが足にかかり、手でバランスをとるより足でバランスをとる練習になります伝い歩き全般を通して、床の方にオモチャを取らせるようにしゃがみも促していくと、立つための力をより高めます

壁伝い歩きが安定してきたら 

手を繋いで立つ練習

足で支えることが上手になってきたら、今度は手を繋いで立ってみます。最初は両手、慣れてくれば片手のみで立ちます。繋いだ手の位置は徐々に身体の横に下げていきます。一人で立てそうだと感じたら。ゆっくりと手の力を抜いて手を離してみます。 

片手繋ぎであれば、もう片手で遊ぶことで立つ時間を稼げます。

 

カタカタや手つなぎで歩く

足を前に出す練習になります。カタカタを押して歩く、止まる、方向転換するなどいろんな歩き方ができるようになれば上出来です。最初は足を開いて前のめりになっていますが、上手になると足は閉じて体は垂直に近くなります。

カタカタのスピードについていけず前に倒れてしまいそうな場合は、介助者が一緒に持ち手を持ってコントロールします。一人で立てるようになれると、カタカタで止まって方向転換もできるようになってきます。

 カタカタがなくても、ダンボールを押して歩くのも練習になりますので、家にあるもので工夫はできます

手つなぎ歩きは最初は両手つなぎで頭の高さから始めます。安定してきたら少しずつ手を肩の高さ、お腹の高さへ下ろしていきます。 

両手つなぎでよく歩けるようになれば、片手つなぎにチャレンジします。最初は1.2歩でもいいので、できたのなら1日1回でも片手つなぎで歩く機会を設けるといいです。

片手つなぎで歩く練習は、一人歩きにほとんど近づいているため難しいですが、そのぶん歩く自信につながります。

 

壁で背もたれで立って一人歩きを誘導

背中を壁につけて立ちます。これだけなら壁伝い歩きができるころにはできると思います。ちなみに背もたれで立つと今までの前で支える姿勢から後ろにもたれて直立姿勢になるので、一人で立つ姿勢の練習につながります。 

では一人歩きの誘導の仕方ですが、背もたれで立った状態のお子さんの斜め前に立ちます。「おいで」と手を前に出して声をかけます。お子さんがこちらに歩き出すのを待ちます。なるべくお子さんの頭より少し高い位置で手を出して、お子さんの頭が少し上に向くように誘導してください。 

斜め前から誘導する理由は、片足に体重を乗せた状態を作るので、もう片足が前に出やすいためです。 

頭より少し高い位置で誘導する理由は、お子さんは誘導する方向に向かって倒れるように歩いてきます。そのため、できるだけ上に手を挙げさせることで身体を起こし続け、倒れにくい状態を作ってあげるためです。 

最初は一歩だけですが、二歩三歩と増えていきます。三歩以上歩けたら少し遠くから誘導して距離を伸ばしていきます。

 

歩くことに恐怖心がある子の場合

まだ不安定であるから恐怖心があるのかもしれません。もともと慎重なお子さんもいらっしゃいます。そういうお子さんに対してハイカットシューズを勧めてみてはどうでしょうか。足首が安定し立つ姿勢も安定します。すると一歩が出しやすくなるので本人にとって歩くことが楽だと感じさせることができます。 

室内でも靴を履いて歩いても経験になります。靴を履くとハイハイがしにくいので、立って歩く練習の中で靴を履かせてあげたらいいと思います。

ここまできたら、あとはどんどん歩いて上手になっていくだけです。

最初は足を開いて手は挙げていますが、徐々に足は閉じ手は降りていきますので、大丈夫です。

 

最後になりますが、一人歩きを練習する上で重要なのはお子さんのやる気です。

恐怖心が強いようなお子さんの場合は、なかなか進みにくいと思います。失敗体験をすると、余計に避けてしまうので、成功体験をいかに積ませてあげるかがポイントです。そのため成功できる運動を存分に楽しませてあげることが次のステップにつながったりします。 成功体験はどのお子さんにも重要ですので、お子さんのできた!歩くの楽しい!経験をどんどん積み重ねましょう。

少しでも参考になれば幸いです。