成人脳性麻痺者の将来像と身体ケアについて

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「この子が将来大人になったときに豊かな生活送れるだろうか」

 

子どもの将来像を想像することはとても難しいことだと思います。誰にもわかりません。しかし身体や運動面については成人された方の姿をみると、子どものときにすべきことは自ずと見えてきたりします。

 

どんな生活を送っているのか

多くの方は車椅子や電動車椅子を利用されていると思います。その中にも昔は歩いていた方もいますし、車椅子の方もいます。思春期から大人になるにつれ徐々に体重が増え、車椅子を使う頻度も多くなり体を動かす機会は減っていきます。それに伴って運動能力も落ちていきます。動く機会も減り、ずっと同じ姿勢をとっているため首肩腰の痛みを訴える方は多いです。

 

筋肉や関節の動きは動かさないと硬くなり弱くなります。変形や股関節脱臼なども大人になっても生じてきます。そのため運動する機会は健康面を考えるととても重要になってきます。もっと言えば、いまの最大の運動能力がどの程度なのかを知り、それを維持することがベストといえます。

 

脳性麻痺という診断でどのような症状がありどんな生活をしているかは個々で違いますが、どんな運動をしたらいいかはそんなに深く考えなくても大丈夫です。私たちもずっと座り続けたら腰や首が凝ってきますし、ずっと寝ていたら頭もぼーっとしてやる気はなくなってきます。そんなとき、私たちはなにをするか。

 

簡単な運動の薦め

姿勢を変えて伸びをしたり肩を回したりリラックスしたり、ちょっと歩いたりして気分転換をします。それと同じ感覚でいいと思います。自ら身体をうまく動かせない方が多いと思うので、手伝うことで身体を動かしたり姿勢を変えたりできます。もちろん動かせる範囲でいいので自分でできる方は自分で肩などを動かしたり。無理やり動かすと痛めます。

寝返りができる方は寝返り運動を行ったり、介助や支えながら立てる方は立つだけでも違います。ずっと寝ている方は座らせてあげたり。ずっと座っている方は横になってゴロゴロしたり。もちろん医療的にリスクがなければですが。

生活の中に、いかに身体を動かす機会を組み込んでいくかも考えることができます。普段の姿勢管理も生活の中で考えることができます。

 

身体のケアについて簡単に書きましたが、例えば小さい頃に介助で歩く練習した経験があれば、大人になってからもその運動経験は覚えていたりしますので、大人になっても介助で歩くことができ、それが実はいい運動だったりもします。

子どものときにどのくらい運動が経験できているか、運動能力を高められるか、そしてその運動が成長とともに維持することができるのかの視点も、今後の生活を支える身体を考える上で大切になってくると思います。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。