嫌がる子どもに無理やりリハビリをした結果

なんのために、なにをされているかもわからず、やたらと身体を触られ動きを止められる。

 

逃げたいけど逃げられない。

 

必死に泣きわめき助けを求めるも、周りの大人は「頑張ってるね」「なんで泣いてるの」「嫌いだもんね」「〇〇ちゃんのためだから」と大人目線で意味のわからないことをつぶやく。

 

いわゆる訓練、が終わり「身体の緊張が緩んだね」「柔らかくなったね」と自己満のごとく訓練効果を語る。

 

 

いや、必死になって泣いたあとは緊張は落ちますから。当たり前のことです。

 

 

こどもはそんなこと微塵も感じていません。ただただその場が嫌になる一方です。

 

 

医療とは?

リハビリテーションとは?

 

 

おわり

姿勢を良くする骨盤の動きとは

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座位で骨盤後傾位は運動障害のあるお子さんによくみる姿勢です。

 

まあ私達も椅子に座ったら後傾してますけど。

 

原因は多裂筋など体幹筋の筋力が低い場合や、大腿直筋や腸腰筋、臀筋群やハムストリングスの筋力が低い場合があります。

原因は運動発達によって変わりますが後者の割合が高いです。

 

例えば痙直型の脳性麻痺の症状があるなら下肢の痙性によるハムストリングスの伸長性が低下することで前傾のしにくさがあります。

骨盤の運動性が乏しくなるので体幹を抗重力位に保持する経験が少なく、体幹筋も未発達になることにつながります。

下肢の運動性は骨盤や体幹筋の発達に影響します。

 

骨盤を前傾させるには下肢の筋活動が必須です。重心を前方に持っていくには下肢を屈曲する必要があるからです。

さらに前傾を制動するためのハムストリングスなど伸筋群が働き、下肢でブレーキをかける必要があります。

 

全体的に筋緊張が低いお子さんなら、持続して姿勢を保持することが大変なので、後傾して骨関節での支持に頼ろうとします。

 

精神状態によっても骨盤は後傾しやすいです。

リラックスするときや疲れているときなど精神活動が少ない時には筋緊張は低くなるので後傾してもたれます。

 

こういう場合は、身体を動かすことや興味や関心が高く興奮するようなことがあれば、全身の筋緊張は高まり骨盤は後傾位のままは少なくなります。

 

 

骨盤後傾位に対して、前傾するよう徒手で促すことがあると思います。

それ以外にも前傾するような運動(例えばリーチなど)を自発的に引き出していく方法があります。

 

基本的に骨盤だけ動かすのは私たちでも意識しないと難しいですので、上肢と連動して脊柱の動きを引き出していくことが全体的な運動連鎖に繋がっていきます。

 

さらに前傾で抗重力位をキープではなくて、後傾と前傾運動を繰り返しコントロールできるのかが重要になってきます。

 

いい姿勢だけでいるのは、本当のいい姿勢とは言えないですね。

 

 

筋緊張ってなに?低いとどうなるの?

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筋緊張が高い、低いなどよく現場で話されていると思います。

 

なぜか筋緊張の高い低いだけがこどもたちの全てを表すかのように聞こえるのは私だけだろうか。

 

これは分かっていることですが筋緊張の影響によって運動ができるできないは関係ありません。

 

 

そんな筋緊張の意味について

筋緊張とは姿勢保持、運動時の筋肉の張りのことです。

 

姿勢を保持するために、姿勢を作る筋肉を適度に張った状態(収縮)にしないと身体は倒れてしまいます。

例えば座位をとろうとしたとき、腹筋と背筋、股関節周囲筋がバランスよく収縮することで座位で上半身が倒れないようになります。

座位がまだ未発達なお子さんは、バランスを保とうとしますが、適度に収縮を保てずに倒れやすくなります。

未発達の要因は、座位を自分で保つ経験が少なかったり、運動経験が少なくて必要な筋力に追いついていなかったりします。

 

運動時は例えば自転車の運転であれば、倒れないように常に自転車を動かしておくための姿勢保持が必要で、走行では地面の質に応じて自分が思うスピードに見合う筋の収縮を調整します。

混雑した道路では、急なブレーキや方向転換に対応するために、筋肉が収縮を高めてすぐ反応できるように調整します。

これらは経験に基づく学習が必要になってきます。

アイススケートを始めてする人は、身体をガチガチに緊張させてなんとか姿勢を保持しようと頑張りますが、慣れてくると緊張は減り柔軟に身体を動かせるようになります。

 

このように筋緊張は、そのときの環境に応じた身体の状態のことになります。

 

つまり筋緊張が高い、低いはこどもたちが感じる環境によって変わります。

 

 

 

運動量を上げることの意味

朝起きて夜寝るまでに、私たちはどんな姿勢でどんな活動をしてきたか考えてみる。

 

仕事をしている人なら、朝起きて身支度をして出かけるだけでも、起き上がり、立ち上がり、立位保持、歩行、道具操作、会話などなどさまざまな身体活動が含まれます。

それらは全部自分たちの力で行なっています。

 

こどもたちも日中は走り回ったり公園で遊んだり、一日中外に出てても平気ですね。

 

運動障害のあるこどもたちはどうかというと、自分で動くことが難しいです。

難しいから介助したり抱っこしたり生活を送っています。

 

少し動けたとしても異常パターンと捉えられ、せっかく動こうとしたのに止められる。

 

余計に動けない環境になる。大人でも無気力になりますよね。

 

どんどん成長して年齢的にも体格的にも、運動量はものすごく少なくなってしまいます。

 

そうなるとどうなるか。

 

身体は弱っていきます。身体だけでなく精神面でも弱っていくことが容易に考えられます。

 

こどもたちは活動依存的に発達していきますから、活動が少なくなると発達も遅れることが想像できます。

 

単純なことです。動けば強くなり、動かなければ弱くなる。生き物すべてに当てはまることです。

 

介助が必要と思い、知らず知らず過介助になり動きを抑制していないか。こどもの動きを待ってあげることもときには必要です。そしてどうすれば動きやすいかを考えることも大切です。

 

1日にどのくらい立っているのか?座っているのか?移動しているのか?どんな姿勢でいるのか?コミュニケーションはとっているのか?こどもは何をしたいのか?

 

こどもの内面に目を向けることはものすごく重要です。

 

 

 

こどもたちの1番のリハビリとはなんだろうか

自分がこどもの頃、何に興味があって何に夢中になっていたのか。

今思うと、よくそんなことしてたなとか、今じゃ恥ずかしくて人前でできないなとか、とにかく無我夢中で何かに突き動かされていた経験はありませんか。

 

あるいは周りにいるこどもたちはどんなことをして遊んでいるのか観察してみると、これこういう風に遊ぶの!?とか、大人が見れば何をしてるかわからないことで遊んでいたり、イタズラをして喜んでいたり、ずっと自転車に乗っていたり、高いところに登ってみたり、いろんなことをみんな目を輝かせて夢中になっていると思います。

 

自ら発見した遊びの中で子どもたちは知らず知らず自らいろんなことを学んでいきます。

 

 

リハビリテーションの意味は、再びその人らしい人生を作る過程です。

 

こどものリハビリはハビリテーションといわれています。生まれてハンデを持って生きていくため「再び」がありません。

でも「その人らしく生きる」意味はあります。

 

それは「子どもらしく生きる」に置き換えることができます。

 

子どもらしく生きる過程をリハビリとするなら、リハビリはどんな環境で何を優先すればいいのか。

 

子どもたちはリハビリなんて思ってもいない。生活のほんの一部の出来事です。

子どもらしく生きるきっかけをみつけるチャンスかもしれません。

 

 

ちゃんちゃん♪

 

 

 

 

こどもの靴の選び方4

前回までは靴の硬さの話でした。

 

今回は靴の履かせ方について紹介したいと思います。ちなみに履き方は大人も同じです。

 

 

まず靴を履くときは①踵をトントンして踵部分に合わしてください。その後、②上のベルトをしっかりとめる。③下のベルトを添わしてとめる。

 

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こうすることで靴内の足のズレが減ります。 

踵から合わすことを忘れずに。

 

足首が柔らかくてフラフラするようなお子さんがハイカットシューズを履くと歩行が安定することがあります。

 

その場合は、②のベルトはしっかりと隙間がないようにしっかりととめることがポイントです

 

 

 

靴のサイズはだいたい足のサイズの1cm〜1.5cmほどが基準になります。

試しばきをして、あまりに突っかかるようならサイズを落とすことも検討します。

 

また足の長さだけでなく足の幅や甲の高さもあってるか見てあげてください。

 

わからないことがあれば、お店にいるシューフィッターさんや店員さんに聞くことが一番効率が良いと思います。サイズを測ってくれたりします。

 

 

 

膝の過伸展の原因は?

最初に言っときますが、こどもたちにとって膝の過伸展は問題としては優先度は低いです。

 

ただ見た目だけ気になってしまっていろいろ考えすぎるんだと思います。

 

過伸展になっている子はたくさんいます。過伸展だけでなく軽度屈曲で支持することもあります。

 

脳性麻痺の症状がある方でない限り問題はほとんどないです。

 

大抵、そういう子はまだ歩けない、歩けたとしても生活の中で歩く経験が圧倒的に少ない人に多いです。

 

歩く経験が少なければ、過伸展になっていても関節に負担が生じることはそうそうありません。

 

まだ歩けないのであればなおさらです。

 

 

原因は様々です。

機能的には、筋力が弱く関節で膝を支えないといけなかったり、まだ屈曲と伸展の協調がとれなかったり様々です。

 

立位や歩行時の膝の運動は、足関節と股関節で作られます。

どちらかの機能が未熟であったりすると代償的に膝が過伸展になったりします。

 

痙性が問題になる場合や筋の出力が問題になる場合などもあります。

 

もともと関節が柔らかかったりすると過伸展しやすくなります。

むしろ柔らかいほうが、さまざまな動きができてメリットもありそうですね。

 

膝は過伸展してるけれども、それより1人で上手に立てたり行きたいところまで歩いていける。手すりを使って階段を昇り降りが出来る。1人で段差はもうちょっと。などその子の全体的な能力を見ていく方がその子にとって意味のあるこただと思います。

そのうち過伸展は見られなくなるでしょう。

 

 

脳性麻痺になると下肢の選択的な運動が制限されたり、出力の調整に時間がかかるので、どうしてもパターン的な動きになりやすいです。独歩が出来て活動的な方で日常生活も自立されてるなら、膝の過伸展はなんらかの方法で緩和する方が効率がいいですし、疲れにくいと思います。